2011/12/05

観る、感じる、考える。

今月は映像アーティストの向井智香さんにお越しいただきました。
映像アーティストといっても、映画とかアニメーションの作家さんではありません。
川の上でも町家でも、はたまた鏡の中でもどこにでも映してしまい、大きさもバラバラ、
音も様々、抽象的だけれども、飽きの来ない(表現が雑…)アートです。
YouTubeに智香さんの映像作品がアップされていますので、是非、ご覧ください。
なんていうか、「新しい」感じです。

これまでは主に大阪で活動されていたのですが、京都でのお仕事が増え、
そして住まいを京都に、そしてまた京都での依頼が増え…とのこと。
というわけで京都と相性がいいという現代アーティスト、智香さんに面白いお話を聞くべく
今月お越しいただきました。

智香さんの京都のテーマの入り口は、「外から見た京都」。例えば十字路が不思議とのこと。
その感覚、正直私には全く分かりません。むしろ曲がっている道が不思議なもので。
でも駒子さんも「智香さん派」らしく、ほーーっという感じです。
智香さんの十字路の作品。

そして次の作品は、
京都のうちわといえば…!の透かしうちわの阿以波さんとのお仕事だそうです。
ちなみに智香さんは今回、阿以波さんの工房に行くようになって「伝統って古いものばかり
と思っていたら、色々と変わっていくって知ってびっくりした」とのこと。

そうですとも!伝統は革新の繰り返しなんです。
昔からのものと変わり行く社会の新しいところとがくっついて、長いこと続くんです!
でないと、遺産になってしまいますから。私にとったらそれは当たり前なんですけど、
まだまだこの認識が低いとのこと、私も勉強いたしました。是非是非智香さんには、
「京都は伝統と革新の町」ということを発信していってほしいです。

さて個人的に嬉しかったのは、智香さんの現代アート感と、
私の伝統のお能感(世阿弥など)が全く同じだったということです!!
ドキドキしてしまって、1人で盛り上がってしまいました^_^;
急にトーンUPなので、ぜひラジオでお聞きください。
あとで智香さんに「マヤちゃん、急に興奮するんだから~」って言われちゃいました。
すみません、世紀の大発見をしたと思っているので、お許しください。

というわけで、京都のアーティスト向井智香さんの作品発表、
これからも番組で追って行きたいと思います。

樋口

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先日、ふらっと立ち寄った京都芸術センターで「パラレルワールド」という展覧会を観ました。
パンフレットの説明も読まずに飛び込んだ部屋という空間で、
まさにパラレルな、日常では体験できないような、だけど見方を変えた日常のような、
不思議な世界を体験することができました。

そして今回、向井さんの作品を観て、現実の一部を"そうあるべき"という既成概念から
少し離れてみているような、奇妙な感覚になりました。
知っていたはずのものが違って見える、とでもいいましょうか。
いくつになっても世界が新鮮に感じられる。こういう感覚、大好きです。

誰にでも受け入れられる作品でないかもしれません。
私の母親の世代などは、頭に?がいっぱい浮かんでしまうでしょう。

そして芸術性の高い作品は、よく、感覚(センス)のみで作られたものと思われがちですが、
向井さん曰く、「ものすごく考える」のだそうです。
感覚でつくるのではなく、こうしたらこう見える、ということを研究するように
徹底的に考えてからつくる、とおっしゃっていたのがとても印象に残りました。
いつか実際に目の前で観てみたいと思いました。

 
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