遅ばせながら、先日のトークショー「能 隅田川を味わう」のご報告をいたします。
当日は25名程度の方にお越しくださいまして、大変盛況でありました。
お話くださった味方先生も袴姿でこられ、男性の袴姿を初めて間近で見たという方も
中にはいらっしゃったのではないかと思います。
ちなみに私も味方先生が袴を着られる姿を見たことがありますが、
するするーっと一瞬でお召しになって、びっくりしました。
私としては、お能というやや高度な文化を、必要以上に簡単・単純にすることなく、
皆に受け入れられ、能愛好者が増えることを祈りましての会だったのですが、
いかがだったでしょうか。
トークショー後、皆さんから色々と感想を聞いたので、それとともに報告とします。
●編集者の方の感想●
先生のまず一言め、「能は神事、だから難しいです!」というが心に残った。
能は難しい。だから分からなくてもいい、見てるだけでよい。
その辺りをお察しくださったのでしょうか。その感覚を『神事』という言葉で説明した先生。
勉強になりました。
●服飾を学ぶ大学4回生の感想●
能の装束は厳密に決められたものだと思っていたが、実は演者のコーディネートによるという事を知って驚いた。今後の舞台で、選んだ配慮などを考えたい。
能のゆとりの部分を知ってもらえたという事だと思います。
オーケストラの曲が指揮者によって変化するように、幾度も稽古をしているうちに、
それぞれの解釈・感性が取り込まれ、一シテ方の演目が完成するのだと私も思います。
ご自身の専門分野からお能に一歩入っていただいて、嬉しく思います。
●お能、全くの初心者の大学4回生の感想●
とてもユーモアがある先生のお話が楽しかった。トークが面白くて能の世界に引き込まれました。でも急に謡われたときは、驚きました。
味方先生はほんとうに何に関しても分かりやすくお話してくださる先生です。
やはりどんなに素晴しい文化であっても、『良さを上手く伝える』というお仕事、
だれもが出来ることではないと思います。その点、感想を読んで改めて先生を
尊敬いたしました。謡の勢い、素直に驚いてもらって、嬉しく思います。
●お能、全くの初心者のデザイナーの感想●
お能に関して興味がわき、『隅田川』以外もみたくなりました。
先生の幼少期に話が楽しかったです。
この方は後日「廣田鑑賞会能 『三井寺』」にも来てくださりました。嬉しく思います。
表舞台も大変素晴しいですが、幼少期をはじめとする『舞台裏』を知ってこそ、
お能に限らず、文化というものはより一層面白みを増すと思います。
やはりどんなにすごくても、同じ人間だと思います。
赤裸々なお話を聞けたこと、私も幸運に思います。
今回のトークショーで、何かしらそれぞれのお能の「取っ掛かり」を発見してくださった
ことだと思います。元お能初心者の友人が「お能って不思議。似たようなものやのに、
見るたびに感じることが全然違う」と言っておりました。彼女は年に2度ほど、
一緒に見に行く仲なのですが、まさにまさにそうだと思います。難しい分、
見るたびに繊細な感動・発見があって、それが面白さなのではないかと思います。
皆さんがふとしたときに、また能楽堂に足を運んでくだされば…と思います。
樋口
私の友人は、味方さんのお話が面白く、観る前にお能への興味がいっそう高まった
と言っていました。気さくな人柄と、お能への熱い思いがひしひしと伝わってきました。
お話のあとの懇親会でもたくさんお話くださり、参加された方からの質問にも
一つひとつ丁寧に答えてくださいました。この場を借りて、あらためてお礼申し上げます。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
林
さて次回、第4回の2025年の京都カフェは、11月28日(日)に、市内から少し離れますが、
京田辺市の
澤井家住宅を見学に行きます。
上方探索倶楽部で仲良くなった、建築学校の方々も数名いらっしゃるので、
色々と教えてもらえることを楽しみにしています。